猫エイズウイルス感染症とは?
今回の記事では猫の5大感染症の一つ、猫エイズウイルス感染症について説明いたします。
そもそも、猫5大感染症とは
- 猫カゼ
- 猫エイズウイルス感染症
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
- 猫伝染性腹膜炎
の5つの感染症を指します。
その中の一つ、猫エイズウイルス感染症とは、おもに、感染猫とのケンカや交尾などから、猫免疫不全ウイルス(FIV)が体内に入り、発症すると免疫機能が破壊される疾患です。口内炎や、リンパ節のはれ、慢性鼻炎、体重減少などの症状が現れます。発症すると、数か月から数年で死にいたることもあります。
猫エイズウイルス感染から発症まで
急性期~感染~
軽い発熱や下痢などがみられる時期です。ウイルスが体内に入ると、軽い発熱や下痢、リンパ節の腫れが数週間~数か月続きます。猫によってはほとんど症状がでないこともあります。
無症候キャリア期
症状がおさまり、普通に生活できる時期です。
この時期の長さは、1年から10年と幅広くストレスのかかり具合で変わってきます。この症状のまま発症しないことも多いです。
PGL期
リンパ節がはれ、発症のサインが出る時期です。
感染した直後のように、再びリンパ節が腫れだすと、発症の前触れです。この時期は2~4か月と短いので、見逃してしまうこともあります。
発症
免疫機能の低下で口内炎などの症状がでる時期です。
ウイルスにより免疫機能が低下し始め、口内炎、鼻炎、結膜炎、皮膚炎などの病気にかかりやすくなる「エイズ関連症候群」になります。
エイズ期
免疫機能が機能しなくなり、激しい症状が出る時期です。
急激に痩せて、貧血が進みます。さらに悪性腫瘍ができたり、弱い最近にも感染する「日和見感染(ひよりみかんせん)」をおこし、数か月で命を落とすケースが多いです。
子猫や飼い始めは要注意
野良猫の子猫を拾って迎えた場合、すでに感染しているケースもあります。先住猫がる場合心配ですが、仲が悪くなければ問題ありません。ただ、ケンカをしないよう生活スペースを分けると安心です。
また、生後6か月以内の子猫は、母猫からの抗体をそのまま引き継ぐので、感染していなくても、検査で陽性になる場合があります。子猫の検査は獣医さんとよく相談しましょう。
発症させないために気を付けることは?
清潔な環境であれば、発症のリスクを低くすることができます。この感染症の発症にはストレスが大きく関係しています。狭いスペースで何十匹も飼っていたり、トイレが汚れたままで生活していたりすると、すぐに発症してしまいますので気を付けましょう。清潔でストレスのない室内飼いをしていれば、発症のリスクを抑えることが可能です。
- トイレは清潔に
- ごはんと水は新鮮なものを
- 熱すぎず、寒すぎない環境を
- 適度な運動
特に以上の点を気を付けましょう。
猫エイズウイルス感染症 まとめ
人間の場合、HIVに感染したことが分かると、まるで死刑宣告でも受けたかのような大きなショックを受けてしまいます。しかし猫エイズウイルス感染症に感染した猫を対象とした調査では、ウイルスに感染したからといって必ずしも寿命が縮むわけではないとの報告が増えつつあります。
猫エイズウイルス感染症は発症したら完治は難しいですが、環境を整えることで上手に付き合っていける病気です。愛する猫ちゃんのために、できるだけストレスをかけない環境を整えてあげたいですね。