猫ちゃんが、しきりに目を気にしたりこすっていませんか?目から涙が溢れていませんか?こんな症状があったら、もしかしたら猫ちゃんが結膜炎にかかっているかもしれません。
今回は、猫がかかりやすい病気『結膜炎』について、その症状や治療法など紹介します。
猫の結膜炎って?
結膜炎とは、まぶたの裏側にある結膜が炎症を起こす眼の病気です。猫には非常に多い病気の一つです。上記のアイペットによる2018年傷病ランキングでも結膜炎は6位になっていますね。
結膜炎にかかると、涙や目やにが出て、ひどい場合はまぶたが閉じて開かなくなることもあります。
症状は?
以下の症状がでたら結膜炎を発症していることが疑われます。
- 涙やまばたきが多くなる
- 目が充血している
- 目を気にして前足で頻繁にこする
- 眼球が腫れる
同時にくしゃみや鼻水などの呼吸器系の症状が出ることもあります。また、猫ちゃんは自分で目を引っ掻いて、余計にひどくしてしまうことが多いですね。
放置すると、手術をしなくては瞼が開かなくなってしまう場合もあります。異常があれば早めに動物病院を受診しましょう。
原因は?
猫が結膜炎になってしまうにはいくつもの原因があります。
特に多いのがウィルス感染によるものです。いわゆる、猫風邪と呼ばれる「猫カシリウイスル感染症」や「猫ウイルス性鼻気管炎」によって引き起こされることも。ウイルス感染の結膜炎は完治したように見えても、体調を崩すとまた同じような症状がみられて、結膜炎が慢性化してしまうことも少なくありません。
また、清潔ではない飼育環境の中で育てている場合は、目の中にゴミやほこりなどの異物が入りこんで結膜炎になってしまうこともあります。さらに、ペルシャなどの鼻ペチャな猫種に多い『流涙症』などの、もともと持っている疾患が原因で結膜炎に悩まされることも多いようです。
治療は?
早ければ1~2週間ほどで、良くなってきますが、重症化している場合は、治療が長引くこともあります。また、完全には治りきらずに慢性化することもあります。さらに、自分で気にして引っ掻いたり、こすったりしているようなときは、予防にエリザベスカラーをつけることもあります。
点眼と眼軟膏
結膜炎だと診断されたら、点眼薬や軟膏を処方されます。これらによって炎症を抑えて、投薬することで、結膜炎によってたまった膿や粘液を抑えてくれる効果が期待できます。
動物病院で点眼してもらうだけの場合や、目の症状によってはお薬を処方されることもありますので、点眼の仕方や軟膏を塗るコツを事前に教えてもらうとよいでしょう。
感染症治療
結膜炎は猫風邪などの細菌やウイルスが原因の可能性も高いです。その場合は、まずは根本的な原因の感染症治療を行う必要があります。抗生物質の投与や免疫力を上げる治療を行い、感染症が良くなれば、結膜炎も徐々に治まってくる場合が多いようです。
結膜炎と一緒に鼻水や発熱といった症状が出ている場合は、まずは獣医さんの指示に従い、感染症の治療に専念しましょう。
異物の除去
何らかの異物が目の中に入ったことで結膜炎が起こっている場合は、その異物を取り除く治療が必要となります。もしゴミなどの異物が入っている場合は、獣医さんが綿棒やピンセットなどを使って取り除くか、点眼薬を使って洗い流す処置をします。
猫の結膜炎の予防と注意点
特に結膜炎の原因で多いのは、『猫風邪』です。たとえワクチン接種をしていても、100%猫風邪にかからないわけではありませんが、症状を軽く抑えられることが期待できます。

冬場は、寒さから風邪を引き、そこから結膜炎を発症する事もよくある事のようです。特に子猫は体温調節がうまくできずに、室温が21度を下回ると、「極寒」に感じてしまうのだとか。また老猫も体温調節は苦手です。
ペット用のホットカーペットや湯たんぽなどもいろいろ販売されていますので、検討してみてはいかがでしょうか?
管理人宅の飼い猫「チッチプー」も結膜炎が長引いています
最近、我が家で保護して、現在はうちの子になった猫ちゃんも結膜炎を繰り返してしまい、なかなか治りません。保護した当初は、とても症状が重くて片目はほとんど開かない状態でした。さらに猫カゼを発症してしまい、命の危機にも。
現在は治療の甲斐あって元気になったのですが、ひどかった結膜炎は、なかなか完全には良くなりません。
猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症のいわゆるネコ風邪のウイルスは症状が治ってもウイルス自体は一生体に持ち続けるのだとか。ですから、抵抗力が落ちたとき等に繰り返し再発することも多いようです。
繰り返す結膜炎は患部を清潔に保つことも大切
チッチプーは体調が悪くなると結膜炎を引き起こしてしまうことが何回もありました。その中で大切なことは、愛猫の目に違和感を感じたらすぐに患部を清潔にしてあげることです。
例えば、目やにの色がいつもとは違って緑色や赤茶色をしているときは結膜炎を引き起こし始めているサインなので、ガーゼなどで患部をこまめに拭いてあげるように心がけています。その時は猫ちゃんのストレスにならないよう、優しく声をかけながら、ふいてあげるようにしています。
結膜炎は慢性化してしまいやすい病気だからこそ、治療中は猫が感じるストレスを少しでも減らしてあげることが飼い主がやってあげられる一番の対処法ではないかとも感じます。
結膜炎は早期発見で短期治療を目指そう
たかが結膜炎・・と見過ごしてしまいがちですが結膜炎は症状がひどくなってしまうと、その分治療期間が長くなったり、治療費も高くなったりと飼い主さんにとっても猫ちゃんにとっても良いことがありません。
ですから、まずは日ごろから猫ちゃんとコミュニケーションを取る時間を大切にして、少しの異変も逃さないようにすることが大切だと感じます。愛猫の健康を守るのは私達飼い主の大切な役目ですね。