猫エイズや、猫白血病、猫カゼなど・・・猫ちゃんにも命にかかわる感染症がありますが、人にうつるのではないかと心配される方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、猫から人にうつる病気についてまとめました。
猫と人で共通する病気はほんの少し
そもそも病気の原因となる病原体には、細菌やウイルスなどがありますが、それぞれ感染する動物が決まっています。簡単にいうと、病原体の「住みか」は決まっているのです。
例えば、猫カゼといわれる病気も、人の風邪とは全く異なる病原体で、人にうつることはありません。逆に人の風邪が猫にうつることもありません。
しかし、中には人にも動物にも感染する病原体があり、互いにうつしあってしまう病気もあります。それらを「人獣共通感染症」(ズーノーシス)などといいます。日本で問題になるズーノーシスは数十種類ほどですが、猫や犬などのペットからうつるものはさらに数が絞られます。
猫から人への感染経路は、噛み傷やひっかき傷、キスなどの接触です。または、ノミを介して感染するものもあります。猫のうんちに排泄された病原体が乾燥して、人の口から入り感染することもあります。ただし、これらの病原体は、猫と正しくつきあっていれば、ほとんどが予防できます。
猫カゼについてはこちらで詳しく紹介しています↓
猫から人にうつる感染症
猫から人にうつる感染症の代表的なものを紹介致します。
病名 | 感染経路 | 人の症状 | 猫の症状 | 病原体 |
猫ひっかき病 | 感染している猫にひっかかれたり、噛まれたりすることで感染する | 感染後3~13日後に傷口が赤く腫れ、ズキズキと痛んだり発熱することもあります。 | 無症状 | バルトネラ菌 |
皮膚糸状菌症 | 免疫力の低下などで皮膚が弱っている時に、真菌が生えた猫を触ることで感染する | 皮膚が赤くなって円形に広がり、軽いかゆみが出ることがあります。頭の場合円形に脱毛します。 | 感染部分が円形に脱毛 | 皮膚糸状菌 |
疥癬 | 感染した猫を撫出たり、猫ベッドの接触などでも感染する | 一時的なかゆみがあります。猫が完治すれば、人も自然に治ります。 | 激しいかゆみ | ネコショウセンコウヒゼンダニなど |
回虫症 | 猫のうんちに排泄された虫の卵が、人の口に入ることで感染する | 幼虫が内臓にいる場合、食欲不振や腹痛などが起こります。幼虫が神経に入ると、運動障害や脳炎を起こすこともあります。 | 子猫は下痢や嘔吐、成猫は無症状 | 猫回虫など |
猫から人にうつる感染症を防ぐためのポイント
ポイント1 キスなどの濃厚なスキンシップはやめよう
いくら猫の体をきれいにしていても、猫の体に普通に存在する菌が病原体になることもあります。可愛さのあまり、猫とのキスや、口移しで食べ物を与える、食器を共有するなどの濃厚な接触は危険です。
ポイント2 飼い主も猫も健康管理を気を付けよう
ズーノーシスは人の健康状態が良い時は発症しないものがほとんどです。小さなお子さんや、高齢の方、糖尿病などの持病がある方などは、感染のリスクが高くなります。日ごろから、感染予防と健康管理をしっかりと行いましょう。
また、猫の感染症や寄生虫などはワクチン接種や定期的な駆除で予防して、健康管理をしっかりしておくと良いでしょう。
ポイント3 猫と遊んだらうがいと手洗いを
ノラ猫やよその猫に触ったときはもちろん、飼い猫と遊んだ時や、猫トイレの掃除をした時は必ず手洗いとうがいをするようにしましょう。手洗いとうがいは感染症全般の予防の基本です!
ポイント4 キッチンと猫トイレはできるだけ離しておこう
猫のうんちに病原体が排泄される場合もあるので、排せつ物を放置せずにこまめに掃除しましょう。また、猫トイレをキッチンの近くに置いたり、トイレを洗う時にシンクを使ったりするのはやめましょう。
ポイント5 こまめに掃除をする
部屋全体をきれいに掃除することも重要です。猫の抜け毛やふけが、ダニの餌になったり、アレルギーの原因になったりすることもあります。ノミやダニが見当たらなくても、卵が潜んでいる場合もあるので、特に猫のお気に入りの場所は念入りに掃除しましょう。
ポイント6 定期的な猫の爪切り
猫のひっかき傷で子猫からの感染が多いのは、爪の先が鋭く尖っていて、ひっかき傷が鵜tきやすいから。また、猫の爪が伸びていると、そこに雑菌などが溜まりやすくなるので、猫の健康のためにも定期的に爪を切りましょう。
まとめ
ズーノーシスなど、感染症予防の基本は、手洗いうがい、爪切り、寄生虫駆除などちょっと気を付ければできるものばかりです。猫ちゃんと一緒に健康に暮らすためには、ぜひ心掛けたいものですね。